「申し込んでも買えない」はすべての募集に当てはまる話ではなく、クラカレの記録では締切までに満額になる割合も満額までにかかる時間も、事業者によって大きく分かれています。買えないことが起きるのは先着の募集で枠が早く埋まる場合と抽選の募集で外れる場合の2つで、どちらも募集の決め方から生まれる仕組みです。この記事では全体の傾向と仕組みに絞り、事業者ごとの詳しい表は別の記事に回します。
「買えない」には2つの形がある
先着で、申し込む前に枠が埋まる
先着の募集は、募集が始まった時刻から申し込んだ順に枠が埋まり、集まった額が募集総額に届いた時点で締め切られます。開始の時刻に申し込めなかった人は、満額になった後では出資できません。満額の後もキャンセル待ちとして受け付け、先に申し込んだ人が入金しなかった分を順番に回す事業者もあります。
抽選で、外れる
抽選の募集は、募集期間中の申し込みから締切後に当選者を決めます。申し込みの総額が募集総額を上回るほど、外れる人が増えます。早く申し込んでも有利にはなりませんが、外れたときは出資できません。
どちらの方式がどれくらいあるか、抽選の倍率がどれくらいかは「先着と抽選の違い」にまとめています。
記録で見る:満額になった募集の割合
まず全体の傾向です。クラカレが記録している事業者の募集を、募集が始まった月ごとに数えた表です。
| 月 | 募集件数 | 募集総額 | 1件あたり(中央値) | 満額の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年9月 | 88件 | 124億6,584万円 | 5,500万円 | 64%(70件中) |
| 2026年10月(途中) | 45件 | 66億9,694万円 | 9,310万円 | 85%(20件中) |
「満額の割合」は、締切を迎えて集まった額が分かる募集のうち、集まった額が募集総額に届いたものの割合です。2026年9月に始まった募集では、クラカレの記録で満額になったのは6割ほどで、残りは募集総額に届かないまま締切を迎えています。満額にならなかった募集は、締切の時点まで申し込めば出資できた募集ということになりますので、「どの募集も買えない」というわけではありません。
一方で、月によってこの割合は動きます。表の「途中」の月は、まだ締切を迎えていない募集が多いため、締切が早く来た募集(早く満額になった募集を含みます)が多めに数えられています。月をまたいで比べるときは、締切を迎えた件数(括弧の中の件数)も合わせて見ましょう。
事業者ごとに、買いにくさは大きく違う
同じ時期の募集でも、事業者ごとに分けると傾向がはっきり分かれます。
| 事業者 | 終わった募集 | 満額 | 満額の割合 | 満額までの時間 |
|---|---|---|---|---|
| 6件 | 6件 | 100% | — | |
| CCAMEL | 6件 | 6件 | 100% | — |
| 4件 | 3件 | 75% | — | |
| 25件 | 19件 | 76% | 2日17時間 | |
| 10件 | 10件 | 100% | — | |
| 15件 | 8件 | 53% | — | |
| 25件 | 1件 | 4% | — | |
| 6件 | 6件 | 100% | — |
2026年9月以降の記録では、終わった募集がすべて満額になった事業者がある一方で、満額になった募集が1割に満たない事業者もあります。「買えない」と感じるかどうかは、どの事業者の募集に申し込むかで違ってきます。
満額までの時間も同じです。分単位で満額の時刻が分かる事業者では、時間の中央値を出しています。そのほかの事業者は、クラカレが1時間ごとに確かめた記録からの目安で、まだ件数がそろっていないため「—」と表示しています。
抽選の倍率も合わせた事業者ごとの詳しい表は「事業者ごとの満額になった割合・満額までの時間・抽選の倍率」にあります。
満額が早いことは、その募集に申し込みが集まったという事実で、募集の良し悪しを表すものではありません。満額にならなかった募集も同じです。
なぜ買えないことが起きるのか
1件の募集総額に対して、申し込む人が多い
1件あたりの募集総額は、募集によって大きく違います。たとえば最低投資額が1万円の募集なら募集総額が1,000万円でも1,000口しかありませんので、会員の多い事業者で開始と同時に申し込みが重なると、枠はすぐになくなります。月ごとの1件あたりの額は、上の表の「1件あたり(中央値)」で見られます。
先着は、申し込みが開始の時刻に集まる
先着の募集では、早く申し込むほど枠を取りやすいため、申し込みは募集開始の時刻に集まります。2026年9月以降のクラカレの記録では、平日の夜に始まる募集が多くあります。何時に始まる募集が多いかは「募集は何曜日の何時に始まるか」にまとめています。仕事などで開始の時刻に申し込めない人にとっては、先着の募集ほど買いにくく感じることになります。
抽選は、申し込みの総額で当たりやすさが決まる
抽選の当たりやすさは、申し込みの総額が募集総額の何倍か(倍率)で決まります。事業者が応募総額を公表していれば倍率を計算できますが、公表していない事業者もあります。同じ倍率でも、1人あたりの当選口数をどう決めるかは事業者ごとに違い、案内に詳しく書いていない事業者もあります。
事前入金の事業者では、待っている人のお金が口座にある
申し込む前に事業者の口座へお金を入れておく「事前入金」の事業者では、次の募集を待っている人のお金がすでに口座にあり、開始の時刻にすぐ申し込めます。入金方式の違いと事業者ごとの方式は「事前入金と申込後入金の違い」で扱います。
申し込む前にしておけること
買いにくさそのものを変えることはできませんが、申し込めない理由を減らすことはできます。
本人確認を先に済ませておく
会員登録の後、本人確認が終わるまで申し込めない事業者では、募集が出てから登録したのでは開始の時刻に間に合わないことがあります。
開始の日時を先に確かめておく
先着の募集は開始の時刻が決まっていますので、カレンダーで日時を押さえておくと申し込みの準備ができます。クラカレの「カレンダー」では、各社の募集の開始と締切を日付順に見られます。
満額にならなかった募集もあることを知っておく
上の表のとおり、満額にならずに締切を迎える募集もあります。開始の時刻を逃しても、締切まで申し込める募集は残っていることがあります。
申し込める事業者を増やすために複数の事業者に登録するかどうかは、それぞれの事業者の条件(入金方式・手数料・最低投資額)を見てから決めましょう。事業者ごとの条件は「事業者の一覧」にあります。
数字を読むときの注意
記録はまだ短い
クラカレがすべての掲載事業者の募集をそろえて記録しているのは2026年8月下旬からで、表は2026年9月1日以降の募集で数えています。数か月分の記録ですので、1社あたりの件数が少ない事業者では、数件の結果で割合が大きく動きます。表は3件以上の募集が終わった事業者だけを載せています。
満額までの時間の測り方は事業者で違う
締切の時刻として満額になった時刻を出している事業者では、分まで分かります。そうでない事業者は1時間ごとの確認による目安で、実際にはもっと早く満額になっていることがあります。
「満額」の判断は各社の表示による
集まった額や「満額」「完売」の表示は、各社の公開情報によります。募集総額に届いた後にキャンセルが出て、表示が変わることがあります。
よくある質問
Q. 不動産クラファンはどれくらいの時間で満額になりますか
A. 事業者と募集によって大きく違います。早く満額になる募集が多い事業者がある一方で、締切まで満額にならない募集もあります。事業者ごとの時間の中央値は「事業者ごとの満額になった割合・満額までの時間・抽選の倍率」で見られます。
Q. 満額にならなかった募集は、人気がなくて危ないのですか
A. 満額になるかどうかは、申し込みがどれだけ集まったかという事実で、募集の中身の良し悪しを表すものではありません。募集の中身は、物件や貸付先、劣後出資の割合、契約成立前書面の内容で確かめましょう。リスクの見方は「不動産クラファンのリスク」にまとめています。
Q. 満額にならなかったとき、募集はどうなりますか
A. 集まった額で運用を始めるか、募集を取りやめるかは、募集ごとの条件で決まっています。募集ページや契約成立前書面で確かめてください。
Q. 毎月どれくらい満額になっているかは、どこで分かりますか
A. 毎月の件数・総額・満額の割合は「市場レポート」で月ごとにまとめています。