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はじめての不動産クラファン

「やめとけ」と言われる理由を、記録の数字で確かめる

2026/10/14 更新|各社の公開情報から作成

不動産クラファンが「やめとけ」と言われる理由には「買えない」「お金が寝る」「長く拘束される」「事業者が危ない」などがあり、クラカレの記録で確かめると、どれも事業者や募集によって当てはまる度合いがかなり違います。この記事では、よく聞く不安の声を一つずつ取り上げ、記録の数字と公的な資料で確かめられる範囲を示します。やるべきかどうかの結論は出さず、判断の材料をそろえることを目的にしています。

よく聞く不安の声と、確かめる方法

よく聞く声 記録・資料で確かめられること 詳しい記事
申し込んでも買えない 満額になった割合・満額までの時間(事業者ごと) 買えないは本当か
入金したお金が寝る 事業者ごとの入金方式 事前入金と申込後入金の違い
長く拘束される・途中でやめられない 運用期間の分布・契約の解除のルール 運用期間で比べる
利回りが低い・高すぎて怪しい 想定利回りの分布 想定利回りの見方
事業者が危ない・元本割れが怖い 行政などが公表した出来事 不動産クラファンのリスク
税金の手続きが面倒 分配金の所得の区分 分配金の税金

「申し込んでも買えない」

この声は、記録で見ると事業者によって当てはまり方が大きく違います。

クラカレのデータ|最終更新 10/15(木) 13:31
事業者終わった募集満額満額の割合満額までの時間
AGクラウドファンディング6件6件100%—
CAMEL6件6件100%—
COMMOSUS4件3件75%—
LENDEX25件19件76%2日17時間
TSON FUNDING10件10件100%—
クラウドバンク15件8件53%—
バンカーズ25件1件4%—
利回りくん6件6件100%—
2026年9月1日以降に締切を迎えた募集のうち、集まった額が分かる案件(3件以上の事業者)。満額=集まった額が募集総額に届いたもの。満額までの時間は中央値。締切が満額の時刻の事業者は分まで、ほかは1時間ごとの確認による目安です。この表は記録の更新にあわせて入れ替わります。

2026年9月以降の記録では、終わった募集がすべて満額になった事業者がある一方で、満額になった募集がごくわずかな事業者もあります。満額にならなかった募集は、締切まで申し込めば出資できた募集です。つまり「買えない」は不動産クラファン全体の性質というより、申し込みが集まりやすい事業者の募集で起きていることだと読めます。

ただし満額が早いことや満額にならなかったことは、申し込みの集まり方という事実で、募集の良し悪しを表すものではありません。買いにくさが生まれる仕組みは「「申し込んでも買えない」は本当か」で説明しています。

「入金したお金が寝る」

この声が出るのは、申し込む前に事業者の口座へお金を入れておく「事前入金」の事業者です。

クラカレのデータ|最終更新 10/15(木) 13:31
事業者入金方式募集中
ASSECLI申込後に入金0件
CAMEL申込後に入金1件
COZUCHI申込後に入金0件
Funvest申込後に入金0件
J.LENDING申込後に入金1件
Rimple申込後に入金0件
TECROWD申込後に入金0件
TSON FUNDING申込後に入金0件
大家どっとこむ申込後に入金0件
トモタク申込後に入金0件
プレファン申込後に入金0件
みんなの年金申込後に入金0件
利回りくん申込後に入金0件
COMMOSUS事前入金・申込後入金のどちらも1件
バンカーズ事前入金・申込後入金のどちらも9件
AGクラウドファンディング(記録なし)3件
CAPIMA事前入金0件
CREAL事前入金1件
Funds事前入金3件
LENDEX事前入金0件
OwnersBook事前入金0件
えんPocket(記録なし)0件
クラウドバンク事前入金4件
全23社。入金方式は各社の案内による。各社の詳しい条件は事業者の一覧から。この表は記録の更新にあわせて入れ替わります。

2026年10月時点でクラカレに掲載している事業者では、申し込みの後(抽選なら当選の後)に入金すればよい事業者の方が多くあります。事前入金の事業者では、募集を待つ間や申し込んだのに買えなかった間も、お金が口座に置かれたままで運用に回りません。出金に手数料がかかる事業者もありますので、事業者ごとの手数料は「事前入金と申込後入金の違い」で確かめておきましょう。

申込後入金の事業者でも、入金してから運用が始まるまでの間や運用が終わってからお金が戻るまでの間は、お金が運用に回っていません。その期間がどれくらいあるかは「申込から分配までの流れ」で、記録の日数を出しています。

「長く拘束される」「途中でやめられない」

運用期間の長さは、募集によって違います。

クラカレのデータ|最終更新 10/15(木) 13:31
運用期間全体不特法の許可の事業者金融商品取引業の登録の事業者
3か月以下5件(4%)3件(8%)2件(2%)
4〜6か月26件(20%)10件(28%)16件(17%)
7〜12か月85件(64%)17件(47%)68件(71%)
13〜24か月12件(9%)2件(6%)10件(10%)
25か月以上4件(3%)4件(11%)0件(0%)
2026年9月1日以降に始まった募集のうち、運用期間が分かる132件(不特法の許可の事業者36件・金融商品取引業の登録の事業者96件)。「不特法の許可の事業者」は不動産特定共同事業の許可で募集する事業者、「金融商品取引業の登録の事業者」はその許可を持たず金融商品取引業の登録で募集する事業者(貸付型など)。この表は記録の更新にあわせて入れ替わります。

2026年9月以降の記録では、1年以内に終わる募集が大半で、2年を超える募集は少数です。「何年も拘束される」というのは一部の募集の話で、期間の短い募集を選ぶこともできます。

一方で「途中でやめられない」は、運用期間の途中で解約できないのが原則ですので、多くの募集に当てはまります。契約の直後については法律で解除の期間が決められていて、不動産特定共同事業の契約では契約成立時の書面を受け取った日から8日を経過するまでの間、書面で契約を解除できます(不特法26条)。また、物件の売却が遅れると運用期間が延長されることがあり、その分だけお金が戻るのは後になります。

「利回りが低い」「高すぎて怪しい」

想定利回りも、募集によって幅があります。

クラカレのデータ|最終更新 10/15(木) 13:31
想定利回り(年率)全体不特法の許可の事業者金融商品取引業の登録の事業者
4%未満12件(9%)2件(6%)10件(10%)
4%台10件(8%)6件(17%)4件(4%)
5%台7件(5%)3件(8%)4件(4%)
6%台31件(23%)11件(31%)20件(21%)
7〜9%台46件(35%)5件(14%)41件(43%)
10%以上26件(20%)9件(25%)17件(18%)
2026年9月1日以降に始まった募集のうち、想定利回りが分かる132件(不特法の許可の事業者36件・金融商品取引業の登録の事業者96件)。「不特法の許可の事業者」は不動産特定共同事業の許可で募集する事業者、「金融商品取引業の登録の事業者」はその許可を持たず金融商品取引業の登録で募集する事業者(貸付型など)。この表は記録の更新にあわせて入れ替わります。

利回りの低い募集と高い募集の両方がありますので、「低い」と「高すぎる」のどちらの声も、見た募集によっては当てはまります。金融庁は貸付型について、高い利回りは返済の遅れや貸し倒れのリスクが高いことを表している場合があると注意を呼びかけています(金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」)。

利回りの数字は事業者が示す予定の値で、約束ではありません。利回りが高い理由が開発中の物件なのか、運用期間が長いのか、劣後出資の割合が小さいのかで意味は変わります。数字の読み方は「想定利回りの見方」をご覧ください。

「事業者が危ない」「元本割れが怖い」

この声には、実際に起きた出来事が背景にあります。クラカレに掲載していない事業者ですが、2026年9月1日に大阪府と東京都が不動産特定共同事業の許可を取り消した事例があり、大阪府の公表資料には償還期日までに出資を返せていない商品があったことが書かれています。日付と公表資料の内容は「不動産クラファンのリスク」にまとめています。

「元本割れ0件」は事業者自身の公表で、クラカレの記録とは別のものです。読み方は「「元本割れ0件」の読み方」で扱います。元本は保証されておらず、どの事業者の募集でも元本割れや遅延は起こりえますので、許可の種類・契約の相手方・劣後出資の割合を申し込む前に確かめておきましょう。

「税金の手続きが面倒」

匿名組合型の分配金は、原則として雑所得になります(国税庁 所得税基本通達36・37共-21)。雑所得は給与などのほかの所得と合計して税額を計算する所得で、雑所得の損失はほかの所得と差し引きできません(国税庁 タックスアンサーNo.1500「雑所得」)。分配金の額や収入の状況によっては確定申告が必要になります。手続きは「確定申告のやり方」と「会社員の「20万円」と住民税の申告」で扱います。個別の判断は税理士・税務署へご相談ください。

記録では確かめられないこと

クラカレの記録で確かめられるのは、募集の条件と結果、各社の公開情報に書かれていることです。次のことは記録からは分かりません。

  • 事業者の財務の状況や、これから遅延が起きるかどうか
  • 物件をいくらで売れるか、賃料が予定どおり入るか
  • 事業者が公開していない情報(会員だけが見られる書面など)

これらは事業者が出す契約成立前書面や財産管理報告書、事業者の決算の公告などで確かめることになります。

自分に合うかを考えるときの材料

やめておくか始めるかは、人によって答えが違います。考えるときには、次のような点を自分の状況と照らし合わせてみましょう。

お金を使う予定の時期

運用期間の間は引き出せないのが原則です。使う予定のあるお金と運用期間が重ならないかを見ておきます。

申し込める時間帯

2026年9月以降の記録では平日の夜に始まる募集が多く、開始の時刻に申し込めるかどうかで買いやすさが変わります。開始の時刻の傾向は「募集は何曜日の何時に始まるか」にあります。

元本が減ってもよい額か

元本は保証されていませんので、減っても生活に困らない額かどうかを考えておく必要があります。

よくある質問

Q. 不動産クラファンで失敗した人の例はありますか

A. 個人の体験談はクラカレでは集めていません。行政が公表した出来事は「不動産クラファンのリスク」にまとめています。

Q. 「怪しい」事業者は見分けられますか

A. クラカレは事業者の良し悪しを判定していません。確かめられるのは、許可・登録を受けているか、どの種別の許可か、公表された行政処分があるかといった事実です。許可の確かめ方は「不動産特定共同事業法(不特法)の許可」で説明しています。

Q. 結局、やめておいた方がいいのですか

A. この記事では結論を出していません。買いにくさ・お金の動き・運用期間・リスクのどれが気になるかによって、確かめるべき事業者や募集の条件が変わります。気になる項目の表を見て、自分の状況に合うかを判断してください。

文:クラカレ編集部

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