トップ › ガイド › はじめての不動産クラファン

はじめての不動産クラファン

不動産クラファンの言葉:想定利回り・劣後出資・匿名組合・満額・抽選

2026/10/14 更新|各社の公開情報から作成

不動産クラファンの募集ページや契約成立前書面、クラカレの表に出てくる言葉の意味を、募集・お金・仕組み・法律・書類・税金の6つに分けてまとめました。同じものを事業者によって違う言葉で呼ぶことがありますので、よく使われる別の呼び方も併せて書いています。

募集と申し込みの言葉

募集総額

1件の募集で集めるお金の合計です。「募集金額」「ファンド総額」と書く事業者もあります。ファンド総額は、投資家の出資に事業者の劣後出資を足した額を指すことがありますので、どちらの意味かを募集ページで確かめましょう。

最低投資額

1回の申し込みで出せるいちばん小さい額で、「1口」の金額として示されることが多い言葉です。1口1万円の募集なら、3万円は3口になります。事業者ごとの額は「1万円から始められるか」にまとめています。

募集期間

申し込みを受け付ける期間です。開始の日時と締切の日時が決まっていて、先着の募集では満額になった時点で締め切られます。

先着

申し込んだ順に枠が埋まる受け付け方です。募集総額に届いた時点で締め切られます。

抽選

募集期間中の申し込みから、締切の後に当選者を決める受け付け方です。期間の最初に申し込んでも最後に申し込んでも、条件は同じです。先着との違いは「先着と抽選の違い」で扱います。

倍率(応募倍率)

抽選の募集で、申し込みの総額が募集総額の何倍だったかを表す数字です。クラカレでは、事業者が公表した応募総額を募集総額で割って出しています。1倍未満なら、申し込みが募集総額に届かなかったということです。

キャンセル待ち

満額になった後も申し込みを受け付け、先に申し込んだ人が入金しなかった分などを順番に回す仕組みです。「繰上げ当選」と呼ぶ事業者もあります。

満額

集まった額が募集総額に届くことです。「完売」「成立」と表示する事業者もあります。クラカレでは満額になった時点で「完売」と表示しています。

事前入金(デポジット)

申し込む前に、事業者の口座へお金を入れておく方式です。入れておくお金を「デポジット」「預り金」と呼ぶ事業者もあります。

申込後入金

申し込みの後(抽選なら当選の後)に入金すればよい方式です。事前入金との違いは「事前入金と申込後入金の違い」にまとめています。

お金と期間の言葉

想定利回り

1年あたりで見込まれる分配の割合(年率)です。事業者が示す予定の値で、約束ではありません。「予定利回り」「目標利回り」と書く事業者もあります。運用期間が1年未満の募集でも年率で書かれていますので、たとえば想定利回り年6%・運用期間6か月の募集で10万円を出した場合、税金を差し引く前の分配の見込みは10万円×6%×6/12で3,000円です。

運用期間

お金を預けて運用する期間です。この間は、原則としてお金を引き出せません。

運用開始日・運用終了日

運用の始まりと終わりの日です。運用終了日にお金が戻るとは限らず、戻る日(償還日)は別に決まっていることがあります。

分配

運用で得た収益を、出資額に応じて投資家に支払うことです。「配当」と書く事業者もあります。毎月・数か月ごと・運用終了時にまとめて、など、時期は募集ごとに違います。

償還

運用期間が終わって、出資したお金が戻ることです。元本は保証されていませんので、損失が出たときは戻る額が出資額より少なくなります。

早期償還

予定より早く物件が売れた場合などに、運用期間の途中で償還されることです。運用した期間が短くなる分、受け取る分配の合計は予定より少なくなることがあります。

運用期間の延長

物件の売却が予定どおりに進まない場合などに、運用期間が予定より延びることです。延長できるかどうかと条件は、契約成立前書面に書かれています。

インカムゲイン型・キャピタルゲイン型

分配のもとになるお金で募集を分ける呼び方です。インカムゲイン型は主に賃料から、キャピタルゲイン型は主に物件の売却益から分配します。両方を組み合わせた募集もあります。

仕組みの言葉

優先劣後方式

投資家の出資(優先出資)と事業者などの出資(劣後出資)を分け、損失が出たときは劣後出資から先に減らす仕組みです。

劣後出資

優先劣後方式で、損失を先に負う側の出資です。事業者自身が出す場合と、グループ会社が出す場合があります。劣後出資で防げるのは取り決めた割合までの損失で、元本を保証するものではありません。割合の見方は「劣後出資の割合の見方」で扱います。

優先出資

優先劣後方式で、投資家が出す側の出資です。損失は劣後出資の後に負います。

匿名組合型

不特法の募集でよく見かける契約の形です。投資家が事業者(営業者)の事業のために出資し、事業者が利益を分配します。商法では、匿名組合で出資したお金は営業者の財産に属すると定められています(商法536条)。

任意組合型

投資家が組合員として出資し、共同の事業として不動産を運用する契約の形です。匿名組合型とは、物件の持ち分の扱いや税金の扱いが違います。違いは「匿名組合型と任意組合型の違い」で扱います。

営業者

匿名組合型で、投資家から出資を受けて事業を行う側です。契約の相手方にあたります。運営会社が営業者になる募集と、別の会社(特例事業者)が営業者になる募集があります。

マスターリース

物件を1つの会社がまとめて借り上げる契約です。分配のもとになる賃料は借り上げた会社が払いますので、その会社が誰か(事業者のグループ会社かどうか)が分配の安定に関わります。

利害関係人取引

事業者の親会社や子会社など、事業者と関係のある会社との売買や賃貸借です。2026年8月21日の施行規則の改正で、こうした取引の額を妥当と判断した根拠が契約成立前の説明事項に加わりました(国土交通省の報道発表)。

担保

貸付型で、貸付先が返済できなくなったときに回収にあてるために設定する不動産などです。担保が誰のどの貸付に付いているか、いくらで売れるかで、回収できる額は変わります。

法律と事業者の言葉

不動産特定共同事業法(不特法)

出資を募って不動産を売買・賃貸し、その収益を分配する事業について定めた法律です。事業を行うには国土交通大臣・金融庁長官または都道府県知事の許可が必要です。

第1号〜第4号事業者

不特法の許可の種類です。第1号は自ら契約を結んで収益を分配する事業者、第2号は第1号の契約の代理・媒介をする事業者、第3号は特例事業者から委託を受けて不動産取引の業務を行う事業者、第4号は特例事業者の契約の代理・媒介をする事業者です。詳しくは「不動産特定共同事業法(不特法)の許可」をご覧ください。

特例事業者

物件を持つことを目的にした別の会社(SPC)で、業務を第3号事業者に、募集を第4号事業者に任せて事業を行います。運営会社の倒産から切り離すことを目的とした仕組みです。

小規模不動産特定共同事業

投資家1人あたりの出資額と出資の総額に上限を設けた、登録制の事業です。原則として1人100万円・総額1億円を超えないことが要件とされています(国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)法の概要」)。

電子取引業務

インターネットなどで、投資家に契約の申し込みをさせる業務です。不動産クラファンはこの形で行われます。

貸付型(ソーシャルレンディング)

集めたお金を事業者が企業などに貸し付け、利息を分配する形です。仲介する事業者には第二種金融商品取引業の登録が必要です(金融庁)。「融資型」とも呼ばれます。違いは「ソーシャルレンディング(貸付型)とは」で扱います。

書類の言葉

契約成立前書面

契約が成立する前に、事業者が投資家に交付して説明する書面です(不特法24条)。物件の内容、利回りの根拠、劣後出資、分配と償還の予定、リスクなどが書かれています。「契約成立前交付書面」と呼ばれることもあります。

契約成立時書面

契約が成立したときに交付される書面です。不動産特定共同事業の契約では、この書面を受け取った日から8日を経過するまでの間、書面で契約を解除できます(不特法26条)。

財産管理報告書

運用中に、事業者が定期に交付する、財産の管理の状況についての報告書です(不特法28条)。運用の状況や、支出した額の使い道などが書かれています。

税金の言葉

雑所得

匿名組合型の分配金は、原則として雑所得になります(国税庁 所得税基本通達36・37共-21)。給与などのほかの所得と合計して税額を計算する所得で、雑所得の損失はほかの所得と差し引きできません(国税庁 タックスアンサーNo.1500「雑所得」)。

源泉徴収

分配金を支払う事業者が、支払うときに税金を差し引いて納めることです。差し引かれた税金は、確定申告で精算します。詳しくは「分配金の税金」をご覧ください。個別の判断は税理士・税務署へご相談ください。

クラカレの表の言葉

満額の割合

締切を迎えて集まった額が分かる募集のうち、満額になった募集の割合です。

満額までの時間

募集開始から満額になるまでの時間です。締切として満額になった時刻を出している事業者では分まで、そのほかはクラカレが1時間ごとに確かめた記録による目安です。

中央値

数字を小さい順に並べたときの、真ん中の値です。一部のとても大きい値や小さい値に引っぱられにくいため、クラカレの表では平均ではなく中央値を使っています。

文:クラカレ編集部

関連する記事