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はじめての不動産クラファン

不動産特定共同事業法(不特法)の許可:1号〜4号と、事業者の確かめ方

2026/10/14 更新|各社の公開情報から作成

不動産を運用する型の不動産クラファンを行う事業者は不動産特定共同事業法(不特法)の許可を受けていて、許可には第1号〜第4号の4つの種別があります。インターネットで契約の申し込みを受けるには、「電子取引業務」を行う体制も求められます。どの事業者がどの種別の許可を持っているかは、国土交通省が公表している許可の一覧と、事業者のサイトの表示で確かめられます。この記事では種別ごとの役割と主な許可の要件、確かめ方を、法令と国土交通省の資料に沿ってまとめます。

不特法は何を決めている法律か

不特法は、出資を募って不動産を売買・賃貸し、その収益を分配する事業を行う事業者について許可の制度を設け、業務の適正な運営と投資家の利益の保護を図る法律で、平成6年に作られました(国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)法の概要」)。その後の改正で、次の仕組みが加わっています。

改正 加わった仕組み
平成25年 倒産隔離型の仕組み(特例事業)
平成29年 小規模不動産特定共同事業の創設と、クラウドファンディングに対応した環境の整備

この事業を営もうとする者は、法第3条第1項の許可を受けなければなりません(不動産特定共同事業法)。

第1号〜第4号の違い

許可の種別は、法第2条第4項で次の4つに分けられています。

種別 法律の定め(要約) 投資家から見た役割
第1号 不動産特定共同事業契約を結び、その契約で営む不動産取引の収益・利益を分配する 自ら契約の相手方になる事業者
第2号 不動産特定共同事業契約の締結の代理・媒介をする 契約の窓口。契約の相手方は別の事業者
第3号 特例事業者の委託を受けて、その特例事業者が当事者の契約で営む不動産取引の業務を行う 特例事業者の物件を運用する事業者
第4号 特例事業者が当事者の契約の締結の代理・媒介をする 特例事業者の契約の窓口

第1号:事業者自身が契約の相手方

第1号の事業者は、自ら投資家と契約を結んで物件を運用し、収益を分配します。匿名組合型の契約では、出資したお金は営業者(この場合は事業者自身)の財産に属しますので(商法536条)、事業者の財務の状況が投資家に直接関わります。

第3号・第4号:特例事業者を使う仕組み

特例事業は、物件を持つことを目的にした別の会社(特例事業者)が契約の当事者になり、物件の運用を第3号事業者に、契約の代理・媒介を第4号事業者に任せる仕組みです。平成25年の改正で、倒産隔離型の仕組みとして導入されました。運営会社の倒産から切り離すことを目的とした仕組みですが、物件価格の下落などによる損失はこの仕組みでも生じます。

国土交通省の資料では、特例事業で一定額以上の宅地の造成や建物の新築などを行う場合は、プロの投資家(特例投資家)だけが対象とされています(同「概要」)。

第2号:契約の窓口

第2号の事業者は、第1号の事業者の契約を代理・媒介します。契約の相手方は第2号の事業者ではなく、契約を結ぶ第1号の事業者などです。不特法は広告をするときに、自分が契約の当事者になるのか、代理人になるのか、媒介をするのかを明らかにするよう求めています(法第18条第2項)。

許可の主な要件

国土交通省の資料では、許可の主な要件として次のものが挙げられています(同「概要」)。

要件 内容
資本金 第1号 1億円/第2号 1,000万円/第3号 5,000万円/第4号 1,000万円
宅建業の免許 宅地建物取引業の免許を持っていること
財産と人の体制 良好な財産的基礎と、公正かつ適確に事業を行える人的構成
契約約款 基準を満たす契約約款(一般投資家を対象とする場合)
業務管理者 事務所ごとに業務管理者を置くこと

あわせて法第7条では、資産の合計額から負債の合計額を引いた額が、資本金の額の100分の90以上であることも基準にしています。この基準を満たさなくなった事業者は、許可を取り消されることがあります(2026年9月に大阪府が許可を取り消した事例の理由の1つです。経緯は「不動産クラファンのリスク」にあります)。

小規模不動産特定共同事業(登録制)

平成29年の改正で作られた小規模不動産特定共同事業は、許可ではなく登録の制度です。投資家1人あたりの出資額と出資の総額が、原則としてそれぞれ100万円・1億円を超えないことが要件で、資本金の要件は小規模第1号・小規模第2号とも1,000万円です(同「概要」)。

電子取引業務:インターネットで契約するための要件

不動産クラファンのように、インターネットなどで投資家に契約の申し込みをさせる業務を、不特法では「電子取引業務」と呼びます(法第5条)。電子取引業務を行うには、それを適確に行うための体制が整っていることが許可の基準になっています(法第7条)。許可の後に新たに電子取引業務を始めるときは、許可した大臣または知事の認可が必要です(法第9条)。

電子取引業務を行う事業者は、会社名や許可番号などをインターネットで公表しなければなりません(法第31条の2)。国土交通省の電子取引業務ガイドラインでは、ホームページの見やすい箇所に表示する例として、次の項目を挙げています(ガイドラインの新旧対照表)。

  • 会社名
  • 不動産特定共同事業の許可番号(例:○○県知事 第○○号)
  • 代表者の氏名と、事務所ごとの業務管理者の氏名
  • 本店または主たる事務所の所在地と電話番号
  • 不動産特定共同事業の種別(例:第○号事業(電子取引業務を行う。))

事業者のサイトの会社概要やページの下の方に、この表示があるかを見ておきましょう。

2026年8月21日には施行規則と電子取引業務ガイドラインが改正され、電子取引業務を行う事業者がホームページなどに載せる事項に、利害関係人取引・工事・分配に関する事項が加わりました。すでに許可を受けている事業者には、2026年11月30日までは従前の例によるとされています(国土交通省の報道発表)。改正の内容は「2026年8月の制度改正」で扱います。

誰が許可するのか

許可をするのは、事務所の場所と事業の種別で決まります(国土交通省「不動産特定共同事業の許可とは」)。

場合 許可する者
1つの都道府県の中だけに事務所を置いて、第1号・第2号の事業を行う その都道府県の知事
2つ以上の都道府県に事務所を置いて、第1号・第2号の事業を行う 国土交通大臣と金融庁長官
第3号・第4号の事業を行う(事務所が1つの都道府県の中だけでも) 国土交通大臣と金融庁長官

許可番号の「東京都知事 第○号」「金融庁長官・国土交通大臣 第○号」という書き方から、どちらの許可かが分かります。知事の許可だから事業が小さい、大臣の許可だから安全といった意味はなく、事務所の場所と事業の種別の違いです。

事業者の許可を確かめる方法

国土交通省の許可一覧で確かめる

国土交通省は、不動産特定共同事業者の許可一覧・小規模不動産特定共同事業者の登録一覧などを公表しています(国土交通省「不動産特定共同事業者一覧」)。許可一覧には、事業者名・第1号〜第4号の種別・電子取引業務の有無・法人番号が載っています。

令和8年8月31日現在の許可一覧の集計欄では、第1号219者、第2号212者、第3号77者、第4号72者、電子取引業務121者となっています。同じページには、一覧の更新までに時間差が生じることがあると書かれていますので、最新の状況は許可をした行政庁にも確かめられます。

クラカレに掲載している事業者の種別

令和8年8月31日現在の国土交通省の許可一覧で、クラカレに掲載している不特法の事業者を確かめた結果です(並びは許可の種類と許可番号の順)。

事業者 運営会社 許可 第1号 第2号 第3号 第4号 電子取引業務
R Rimple プロパティエージェント株式会社 大臣 第90号 ○ ○ ○ ○
CREAL クリアル株式会社 大臣 第135号 ○ ○ ○ ○ ○
COZUCHI LAETOLI株式会社 東京都知事 第60号 ○ ○ ○
ASSECLI 株式会社エボルゾーン 東京都知事 第115号 ○ ○ ○
トモタク 株式会社イーダブルジー 東京都知事 第133号 ○ ○ ○
大家どっとこむ 株式会社グローベルス 東京都知事 第134号 ○ ○ ○
利回りくん 株式会社シーラ 東京都知事 第155号 ○ ○ ○
TECROWD TECRA株式会社 神奈川県知事 第12号 ○ ○ ○
TSON FUNDING 株式会社TSON 愛知県知事 第6号 ○ ○ ○
みんなの年金 株式会社ネクサスエージェント 大阪府知事 第14号 ○ ○ ○
プレファン 株式会社プレサンスNEXT 大阪府知事 第20号 ○ ○ ○

「大臣」は金融庁長官・国土交通大臣の許可です。許可の種別は変わることがあります。最新の状況は国土交通省の一覧と、各事業者のサイトの表示で確かめてください。

事業者のサイトの表示で確かめる

電子取引業務を行う事業者は、許可番号と事業の種別をホームページに表示しています。国土交通省の一覧と、許可番号・会社名・法人番号が合っているかを見比べると確かです。法人番号は国税庁の法人番号公表サイトで、会社名や所在地と合わせて確かめられます。

貸付型の事業者は別の制度

クラカレには、不動産を担保に企業などへ貸し付ける貸付型の事業者も載っています。貸付型の事業者は不特法の許可ではなく、金融商品取引法の第二種金融商品取引業の登録を受けています(金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」)。登録は、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」の金融商品取引業者の一覧で確かめられます。金融庁は、登録を受けていることがその事業者の信用力を保証するものではないとも注意を呼びかけています。

クラカレに掲載している事業者の許可・登録

掲載している事業者ごとの運営会社と許可・登録の番号は、次の表にまとめています。

クラカレのデータ|最終更新 10/15(木) 15:39
事業者運営会社許可・登録
AGクラウドファンディングAGクラウドファンディング株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3272号
ASSECLI株式会社エボルゾーン不動産特定共同事業 東京都知事 第115号/金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3061号
CAMEL株式会社グローバルクラウドエステート不動産特定共同事業 神奈川県知事 第18号
CAPIMAアバンダンティアキャピタル株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3347号
COMMOSUS株式会社コモサス金融商品取引業 関東財務局長(金商)第2973号
COZUCHILAETOLI株式会社不動産特定共同事業 東京都知事 第60号
CREALクリアル株式会社不動産特定共同事業 金融庁長官・国土交通大臣 第135号/金融商品取引業 関東財務局長(金商)第2898号
Fundsファンズ株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号
FunvestFintertech株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3249号
J.LENDING株式会社ジャルコ金融商品取引業 関東財務局長(金商)第2871号
LENDEX株式会社LENDEX金融商品取引業 関東財務局長(金商)第2460号
OwnersBookロードスターインベストメンツ株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3260号
Rimpleプロパティエージェント株式会社不動産特定共同事業 金融庁長官・国土交通大臣 第90号
TECROWDTECRA株式会社不動産特定共同事業 神奈川県知事 第12号
TSON FUNDING株式会社TSON不動産特定共同事業 愛知県知事 第6号
えんPocket株式会社えんホールディングス不動産特定共同事業 福岡県知事 第6号/金融商品取引業 福岡財務支局長(金商)第57号
大家どっとこむ株式会社グローベルス不動産特定共同事業 東京都知事 第134号
クラウドバンク日本クラウド証券株式会社金融商品取引業 関東財務局長(金商)第115号
トモタク株式会社イーダブルジー不動産特定共同事業 東京都知事 第133号
バンカーズ株式会社バンカーズ金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3216号
プレファン株式会社プレサンスNEXT不動産特定共同事業 大阪府知事 第20号
みんなの年金株式会社ネクサスエージェント不動産特定共同事業 大阪府知事 第14号
利回りくん株式会社シーラ不動産特定共同事業 東京都知事 第155号
各社のサイトの会社情報・国税庁の法人番号公表サイトによる。この表は記録の更新にあわせて入れ替わります。

不特法の許可と金融商品取引業の登録の両方を持つ事業者もあります。事業者ごとの入金方式や件数を合わせた一覧は「不動産クラファン事業者の一覧」にあります。

よくある質問

Q. 許可を受けている事業者なら、元本は安全ですか

A. 許可は、法律が定める要件を満たして事業を行うことを認めたもので、元本や分配を保証するものではありません。物件価格の下落や賃料の減少による損失は、許可の種別にかかわらず生じます。リスクの仕組みは「不動産クラファンのリスク」で扱います。

Q. 第1号と第3号・第4号では、どちらが安全ですか

A. 安全かどうかを種別だけで決めることはできません。違うのは契約の相手方で、第1号では運営会社自身、特例事業では物件を持つための別の会社が相手方になります。運営会社が倒産したときの影響の受け方は変わりますが、物件そのもののリスクは残ります。

Q. 許可を取り消されたら、出資したお金はどうなりますか

A. 許可が取り消されても、すでに結んだ契約の業務は終わらせるよう行政庁が指示することがあります。2026年9月の大阪府・東京都の処分でも、事業参加者への説明や業務を適切に終えることが指示されています。出資がどれだけ戻るかは、事業者の財産の状況と契約の内容によります。

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文:クラカレ編集部

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